与えられた「形状」で精一杯仕事をしたのに、一方的に批判されてしまった……、みんなが知っていて、好きではないけどなぜか懐かしい道具……、そんなふうに表現できるのが、給食で使った「先割れスプーン」です。そんな「先割れスプーン」の生きざま、立ち位置が『教師』とダブって見えてしまうのは私だけでしょうか。
「先割れスプーン」は、「突き刺して食べる」ことと「すくって食べる」という二通りに使えるという利便性を買われ、1950年代頃から学校給食で用いられました。
ところが、「箸が使えなくなったこと」や「犬食い」の原因とされて批判され、今では、箸を持ってきたり、sporkを使ったりするのが一般的になっています。
ご飯を「先割れスプーン」を使って食べることに違和感はありますが、箸を上手に使えなくなったこととは直接リンクしないのでは?と考えます。「違和感」について言えば、どんな料理でも牛乳を飲まなければならないことの方が違和感があります。
また、箸を使っても「犬食い」をなおすのには苦労します。今は箸を使っているのに「犬食い」がなおらないのは、犬食いをしてしまうのは「先割れスプーン」のせいではなかったということです。
そんな「先割れスプーン」。今でも時々見かけることもあります。あんなに批判されたのに、それでも出番が来ると、けなげに仕事をしています。
[ 2017/07/18 00:01 ]
学校珍百景 |